【Scrum Recruiting Workshop レポート】明日からの採用活動に活かせるスクラム採用の実践方法とは

Scrum Recruiting Workshop レポート
講師:
株式会社Azit 油谷 大希 様
株式会社ミラティブ 井上 拓也 様・廣田 良歌 様
株式会社YOUTRUST 岩崎 由夏 様

スクラム採用とは
近年、企業と採用候補者の最初の接点が、社員からの紹介・SNS・イベントなど人事部の管轄外で発生するケースが増加しています。スクラム採用とは、この多様化された採用チャネルに対応するために「得意な人が得意な領域を担当する」という考えに基づき、採用担当だけではなく、現場の社員もスクラムを組み、積極的に採用に参画することで採用成果の創出を狙う株式会社HERPが提唱する採用手法です。

アジェンダ
1. 自己紹介タイム
2. 本イベントの目的
3. スクラム採用概論
4. スクラム採用ワークショップ

HERPが提唱する「スクラム採用」とは?

スクラム採用とは

株式会社HERP CEO 庄田 一郎(以下、庄田):皆さま、本日はお忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本イベントの主催をさせていただきます株式会社HERPの庄田と申します。今まで二回開催した「Scrum Recruiting LABO」ですが、今回は「Scrum Recruiting Workshop」と題しまして、スクラム採用への深い知見を共有することを通じて、参加者の皆さまがより深い学びや発見を得て、自社の課題に対応した具体的なネクストアクションを決められることを目的として、少人数のワークショップ形式で開催をすることになりました。

ワークショップでより深いディスカッションをしていただくための前提として、まずは当社が提唱している「スクラム採用」についてお話させていただきます。
スクラム採用とは「採用担当だけではなく、現場の社員が積極的に採用に参画することで採用成果の創出を狙う採用手法」です。スクラム採用を行うべきだと考える背景としては、2つあります。1つは、採用担当が専門性の高い各職種の業務を理解するよりも、現場の社員の方がその職種で働く魅力を一番理解しているからです。現場の社員が採用活動に関わることで、求人票を作成する際のアウトプットの質を担保され、候補者の見極めなどクロージングの精度も高まることが期待できます。2つ目は、社員の繋がり起点の転職活動が増え、転職する人にとって現場社員という接点がこれまでよりも重要になっているからです。SNSやイベントなどを通じて、以前にもまして転職潜在層に対してアプローチがしやすくなっていると思います。

スクラム採用の導入メリット

スクラム採用のメリットとしては、4つあります。

スクラム採用のメリット

全社員で採用活動を行うことによって、人のつながりでの転職が増えてきている転職市場の変化に対応ができます。リファラルやイベントなど様々なチャネルを試すようになり、最適な採用チャネルが発見できます。また、社員同士で採用に関して積極的なコミュニケーションが行われるようになり、社員自身のエンゲージメントの向上も期待できます。採用以外の副次的な効果として、SNSの活用やイベントへの登壇など社外へ情報発信をすることが自然と増えてきて、社員を巻き込んだ「スクラム広報」ができてくるのではないかと思います。

スクラム採用実践のポイント

スクラム採用実践のポイント

スクラム採用を実践するには、採用担当から現場の社員へ権限委譲をして全社員参加型プロジェクトの土台形成をすることが必須です。そのために重要なポイントが5つあると考えています。

①経営の採用へのコミットメント
経営陣が採用にコミットすることで、会社経営において採用が重要であるということを社員が自然と認知するようになります。

②企業全体の役割分担の規定(権限委譲)
採用担当と現場社員、それぞれ誰が何をやるかを明確にして、その上で権限委譲していきます。職種や仕事への理解が必要な内容は現場に任せていき、採用担当はプロジェクトマネージャーとして動くべきだと思います。

③採用情報・成果のオープン化
全社で取り組んでいる以上、成果を見える化できないとモチベーションを担保しにくいので、採用に関する情報をできる限りオープンにすることが必要です。また、採用に関する情報を共有できるデータベースがあることで、社員の採用参画ハードルを大きく下げることができます。

④候補者と社員のオフラインでの接点作り
リアルな接点を作ることは、候補者の企業理解を深めるサポートになるだけでなく、それに参加する社員の採用への意識を向上させることに繋がります。

⑤現場社員が採用活動をしやすい制度設計
社員の方々が採用活動に積極的に参加しやすい制度設計は、アクションを起こすきっかけとして有効な手段です。例えば、YOUTRUST社の「ユートラ食堂」のように、オフィスに来るハードルが低いと気軽に遊びにきてもらいやすくなりますよね。

皆さまは、どのようにスクラム採用に取り組んでいらっしゃいますか?

株式会社Azit 油谷 大希 様

株式会社Azit 油谷様:Azitには、リファラル採用を促進するための社外での活動や組織戦略、コミュニティ運営などカルチャー領域全般をミッションとするCCO(Chief Culture Officer)という役職があります。現場の社員も協力的で、現状、正社員の7割がリファラル経由での入社です。

株式会社ミラティブ 廣田様:全社でOKRを作って運用しているのですが、その中に採用が入っていて、採用は全社の最優先事項としていますね。代表の赤川だけでなく、社員も積極的にSNSで情報発信をしてくれているので、すごく有り難いなと思っています。

庄田:なるほど。各社さまざまな工夫をされていますね。

スクラム採用のステージ分類と、それぞれのステージで取り組むべきこと

スクラム採用のステージ分類

庄田:スクラム採用を進める上で、⓪〜④にあるようなステージに分類して考えると、それぞれのステージでの課題や取り組むべきことが明確になってきます。

①どこにも採用への熱意が無い状態
採用自体に全社的にあまり関心がない、もしくは採用の優先度が高くない状態を指します。このステージでは、経営者の採用へのコミットを引き出せないことや、現場メンバーの採用の優先順位が上がらないことなどが課題となることが想定されます。まずは、誰かが熱意を持って取り組み始めることが第一歩なのではないでしょうか。

①-1人事に炎がある状態
人事のみ採用に対して積極的で、経営時・社員の協力を仰ぎたいと奮闘している状態を指します。ここで想定される課題は、経営陣のコミットメントが引き出せないことです。解決策としては、全社会など社員の前で話す際に採用について宣言することを人事から働きかけてみることです。あとは、経営陣でなくても、人事が圧倒的にコミットメントして、且つ社員から承認されている状態であれば、社員に対して協力を仰ぎ、採用活動に巻き込んでいくこともできるのではないかと思います。必要なのは、全員の採用への熱を高められる存在を作る、もしくは自分がそうなるという努力です。

①-2 経営者・人事に炎がある状態
経営陣と採用担当だけが苦心している状態を指します。採用に対する現場の優先順位をあげるためには、HiringManager制度の導入をおすすめします。事業部側に採用責任者が採用の意思決定や、職種ごとの強みを活かした採用手法の企画立案などを行い、採用の責任を持つのが良いでしょう。現場の社員が採用活動に参加するようになった際に検討するべきなのが、採用活動への貢献の目標設定とその評価、賞与についてです。ここは難しいところではあるかと思うのですが、人事評価に採用を入れている企業の方っておられますか?

参加者:例えば、保険のプランナーがリファラルで1人採用すると、売上額に換算されて、2ヶ月くらいは何も売れなくても目標達成ができるくらい評価に大きく反映されます。1人採用することで、その先1年半の売上が見込めるので、採用はとても重要視されています。

庄田:それはすごいですね。採用が売上の達成と同等に重要視されていることが伝わってきますね。

①-3経営者・人事・一部の社員に炎がある状態
経営陣と採用の頑張りが、ロイヤリティの高い社員に伝播しはじめている状態を指します。より多くの社員に採用活動に参加してもらうには、採用活動に取り組むハードルを下げる、もしくはインセンティブを作るトライが必要です。オープンオフィスのような試みや、紹介しやすいように名刺の裏に採用のフォームのQRコードをつけたり、採用会食費を負担するなど、ハードルを下げる取り組みと、採用目標自体を現場で全て考えてもらうよう権限委譲することで、自分たちの直近の事業へのインパクトを感じてもらうことで採用への意識をあげてもらうなど、仕組みでの解決も必要となってきます。

②全員に炎があるが、仕組みが追いついていない状態
全社員採用は最重要活動であり、何かしら努力したいと感じているが、現場社員が自発的に努力する方法を理解できていない状態を指します。ここでの問題は、情報が欠如していることです。リファラルをやるにしても、募集しているポジションや、どのレベルの人を求めているかなどがわからないと協力しようにもできません。形は何でもいいので、情報の所在を明らかにすることが重要です。また、社員紹介での応募は、通常のエントリーと選考フローが変わってくると思うので、紹介をしてくれる現場社員からの事前情報も活かしながら、最適な選考フローを決めるのが良いでしょう。
最近では、会社説明資料を公開している企業も多くありますが、現場社員が自社について分かりやすく説明しやすい武器を用意することで、候補者に向けたメッセージが統一できたり、SNSなどでの発信のしやすくなるなどのメリットがあると思います。具体例としては、ミラティブ社の「採用候補者様への手紙」が話題になっていましたが、実際どのような効果がありましたか?

ミラティブ社にとって「採用は全社の最優先事項」

株式会社ミラティブ 廣田様:資料を公開してから、応募数が従来の4倍くらいになり、本当にたくさんの方からご応募いただきました。会社説明だけでなくミラティブの考え方や哲学など「エモい」部分を込めた内容なので、これを読んでから面接いらした方は当社の考え方により共感してくださっている印象があります。

庄田:情報共有以外にも、様々な効果があったんですね。確かにスカウトの文面に追加するだけでも有効な手段になりますよね。

③スクラム採用完成フェーズ
現場社員がスムーズに採用活動に取り組むことができる仕組みが存在しており、権限の所在が明確化されている状態を指します。ここまでくると、いかにその企業らしい採用活動を行うかが重要で、採用広報の目標設計をして、その達成のための企画をブレストしていくフェーズになると思います。企画を考えるにしても、イベントをやるにしても、一番質の高いコンテンツは現場の社員の中に眠っているという意識を持って、現場を巻きこんでいくのが重要だと思います。

④スクラム採用独自性創出フェーズ
全社員の自発的な取り組みによって、その企業らしい採用活動、採用広報手法の提案がなされる状態を指します。このフェーズでは、仕組みを整備し、PDCAを回しながら成果を最大化していくことが重要です。このフェーズでも社員を中心としたスクラム採用広報の取り組み等を愚直に続けていく努力が必要かと思います。

スクラム採用ワークショップ

事前にお答えいただいたアンケート結果から、感じられている課題感や状態が似ている企業様ごとにチームを分け、ワークショップを実施しました。ワークシート(上記スライドシェア)を使いながら、今抱えている課題を特定して、解決策をテーブル内でブレストし、次に取るべきアクションを具体化していきました。

HERPで行われたscrum recruiting workshopHERPで行われたscrum recruiting workshopHERPで行われたscrum recruiting workshop

参加者の皆さまの感想

参加者の皆さまからは、「それぞれフェーズの違う採用の課題を知ることができた」「課題感が同じ企業でのワークショップを通じて、他社と比べ自社ができていないことを知る機会になった」「他社のスクラム採用についても知見が溜まり有意義だった」などの感想をいただきました。ご参加いただき、ありがとうございました!

※当日の様子や参加者の方の感想はTwitterのハッシュタグ【#scrum_recruiting】でもご覧いただけます。

HERP ATS導入企業様の事例紹介

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