【スクラム採用 少人数勉強会レポート】「スクラム採用成功」の5つのポイントとは?(ゲスト 株式会社空 田島様)

【スクラム採用 少人数勉強会レポート】「スクラム採用成功」の5つのポイントとは?(ゲスト 株式会社空 田島様)
株式会社空 HR manager 田島 一平
株式会社HERP 取締役COO 徳永 遼

本勉強会について
本勉強会ではスクラム採用の考え方や具体的な成功事例を詳しくお伝えしています。今回はスクラム採用を実践している株式会社空の田島様をゲストに迎え、同社でのスクラム採用の現状・具体的なアクション等についてお話いただきました。

スクラム採用とは
近年、企業と採用候補者の最初の接点が、社員からの紹介・SNS・イベントなど人事部の管轄外で発生するケースが増加しています。スクラム採用とは、この多様化された採用チャネルに対応するために「得意な人が得意な領域を担当する」という考えに基づき、人事部以外の社員もスクラムを組み、採用活動に参加し、採用結果の責任まで負うことで採用効率を高める株式会社HERPが提唱する採用手法です。

アジェンダ
1. 勉強会のゴール、HERPの紹介
2. テーブルごとに自己紹介
3. 株式会社HERPが提唱するスクラム採用とは、スクラム採用の重要性、スクラム採用の成功のポイント
4. 株式会社空での採用事例
5. 質疑応答、個別相談

HERPが提唱するスクラム採用とは?

スクラム採用勉強会の様子 HERP社にて

株式会社HERP 取締役COO 徳永(以下、徳永):皆さま、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。第6回目になる「スクラム採用勉強会」ですが、今回は株式会社空の田島さんにお越しいただいていますので、より具体的な事例もお伝えできればと思います。

まずは、私から当社が提唱する「スクラム採用」について、今取り組むべき理由なども踏まえてお伝えできればと思います。

スクラム採用とは「採用担当だけではなく、現場の社員が積極的に採用に参画することで採用成果の最大化を狙う採用手法」です。
これまでは経営陣や採用担当で目標を決めた上で、人材要件や予算などを決めることがほとんどだったかと思うのですが、これからはもっと早い段階から現場の社員が採用に関わることでより採用成果の最大化ができるのではないかと考えています。

スクラム採用を取り組むべき理由として、以下の2つが挙げられます。
①現場が人材要件・ポジションの魅力を一番理解していること
昔は終身雇用を前提として採用活動をしていましたが、今、特にインターネット業界は専門性が高度化してきていて、採用担当がすべての職種のスキルを理解することが難しくなっています。採用担当よりも事業部のメンバーの方が、欲しい人材像やポジションの魅力を理解しているため、求人票の作成や候補者の見極めなどに積極的に関与すべきだと考えています。

②候補者と社員との接点がより重要になっていること
SNSやイベントなどで、候補者と社員が直接繋がりやすくなり、その接点を活かして転職潜在層へのアプローチが必要になり、現場社員という接点がこれまでよりも重要になっています。知り合い経由で副業を開始して転職するケースや、Twitterで転職先を募ることのみで転職活動を完結させるなど、新しい動きが出てきています。

スクラム採用成功の5つのポイントと実際の事例

スクラム採用を成功させるための5つのポイント

スクラム採用を成功させるポイントとして、以下の5つが挙げられます。具体的な事例も踏まえてご説明させていただきます。

①経営の採用へのコミットメント
経営陣が採用にコミットすることで、会社経営において採用が重要であるということを社員が自然と認知するようになります。逆に経営陣が採用にコミットしていない状態で社員が勝手にコミットし始めることは稀な状況だと思います。

事例:株式会社メルカリ
全社定例で、毎回役員クラスからの採用に対するメッセージを伝えています。役員が言っていると、マネージャーレイヤーも意識するようになり、社員のリファラル採用への協力度合いは変わってくるそうです。(Scrum Recruiting LABO #1 レポートより)

②企業全体の役割分担の規定(権限委譲)
採用担当と現場社員、それぞれ誰が何をやるかを明確にして、その上で権限委譲していきます。職種や仕事への理解が必要な内容は現場にどんどん任せていき、採用担当は全社員での採用PJのプロジェクトオーナーとして動くべきかと思っています。

事例1:Hiring Managerの設置
人事側とは別に、事業部側でHiring Managerを配置することで、権限委譲ができるのではないかと思います。例えば、事業部毎に採用マネージャーを置き、候補者を採用の意思決定と、新入社員が入ってきたときのオリエンテーションのオンボーディングなど、いわゆる人事的な活動もやる。海外では事例がありますが、日本でも徐々に増えてくるのではないかなと思います。

事例2:ヘイ株式会社
3つのフロー毎に現場社員と人事の役割を分担し、現場主導での採用活動が進むような仕組みを作られています。(Scrum Recruiting LABO #1 レポートより)

現場への権限委譲・KPI設計(hey)

③採用情報・成果のオープン化
全社で取り組んでいる以上、成果を見える化できないとモチベーションを担保しにくいので、採用に関する情報をできる限りオープンにすることは必要になるかと思います。また、採用に関する情報(現状オープンなポジション・リファラルの知見など)を共有できるデータベースがあることで、社員の採用参画ハードルを大きく下げることができます。

事例1:株式会社SmartHR
会社紹介の資料をWebで公開して、福利厚生や給与テーブル、昇給額・昇給率などもオープンにしています。結果、応募数が5.3倍になり、閲覧数が40万回に達しているそうです。副次的な効果として、社員も人事も全員同じ資料で説明するので、候補者から見た時にメッセージが一環することや、説明の工数の削減にも寄与しています。(Scrum Recruiting LABO #2 より)

事例2:株式会社PR Table
面接のフィードバックをSlackにすべて流すことで社員の採用に対する意識が変わり、モチベーションクラウド上でのエンゲージメントスコアが20%アップしたそうです。

④候補者と社員のオフラインでの接点づくり
リアルな接点を作ることは、候補者の企業理解を深めるサポートになるだけでなく、それに参加する社員、そしてイベントなどの開催自体を知った社員の採用への意識を向上させることに繋がります。

事例:ヘイ株式会社
「Hello hey」という社内説明会のような気軽に参加できるイベントを毎週開催しています。インターネットがどれだけ発達しても、オフラインの接点は重要です。

⑤現場社員が採用活動をしやすい制度設計
社員の方々が採用活動に積極的に参加しやすい制度設計は、アクションを起こすきっかけとして有効な手段です。例えば、リファラルの制度だったり、オフィス見学のフローだったり、できるだけ社員が採用活動に関与するハードルを下げることがとても重要です。

株式会社空での採用の現状

株式会社空 HR manager 田島 一平氏(以下、田島):株式会社空の田島と申します。我々のようなスタートアップがどういう風に採用をやっているかを見てもらえればと思っています。本日はよろしくお願いいたします。

弊社は2015年に設立して、現在従業員は26名です。PriceTech企業として、ホテルや旅館の市場分析の効率化から価格設定を効率化するプロダクト『MagicPrice』というサービスを運営しています。今年2019年にはホテル向けサービスのグローバル展開を具体的視野に入れ、またPriceTech領域の中で他の事業ドメインにも積極的にチャレンジしていこうとしています。

私自身は、元々リンクアンドモチベーションに新卒で入社して、新卒採用のコンサルティングみたいなところからキャリアをスタートしています。その後、事業承継コンサルティングとして、いわゆる町にある優良中小企業の事業をどう次世代に継承するかという課題解決のお手伝いをさせていただきました。その後、独立して、いくつかのスタートアップで採用を担当し、2018年3月にに株式会社空の1人目の人事として入社しました。

空の採用

現状の採用実績としては、入社から約1年間でエントリー数が20倍になり、18名採用に至っていて、約90%は内定を承諾していただいているような状況です。

選考においてプロセスが4段階くらいあるのですが、1人でも迷ったら採用しないことにしています。有り難いことに事業が伸びていますが、工数が足りないからと言って採用のハードルは下げず、事業やチームを進化させられそうな方のみ採用することをポリシーとしています。

株式会社空での採用における具体的なアクション

株式会社空 田島様

皆さまも日々感じていらっしゃるかと思いますが、超売り手市場で、採用が難しくなっているので、全社員で採用するというスタンスを取らないと、我々のようなスタートアップは勝ちようがないと思っています。また、より専門性の高い職種が増えてきていて、採用担当がどこのポジションにどんな人が必要なのかを全て把握して、それを社外に広めていくっていうこと自体がもう難しくなってきていると感じます。

そのような中で、私が人事として何をしてきたかについて、結論としては先程徳永さんが話していた「スクラム採用成功の5つのポイント」に帰結するので、具体的に何をしてきたかをお話できればと思います。

①経営の採用へのコミットメント
代表の松村が作りたいと思っている組織に共感したので入社を決めたのですが、改めて採用が会社の成長にとってとても重要であることを握るところからスタートしました。カルチャーが強い会社なので、どういう人を採用するか、理想の採用ってなんだろうみたいなところを経営者とディスカッションして目指す方向をすり合わせることが大事だと思います。

②企業全体の役割分担の規定(権限委譲)現場への権限委譲・KPI設計
プランニング・リーチ・惹きつけ・見立てとフェーズを分けて役割を分担しています。特徴的なのは、リーチを人事:現場=5:5でやっているところですね。ダイレクトリクルーティングでのスカウトの配信も選考要件をすり合わせた上で、現場主導で回してもらっています。新たな募集が出た時やイベントの情報は全社員がSNSで拡散してくれるような状況です。
また、現状のプロセスが本当に適切かどうかを3ヶ月ごとに定量的なデータから見直すようにしています。HERP ATSで職種別や媒体別ごとに数値を確認し、ボトルネックになっている課題を見つけ、プロセスをよりブラッシュアップさせています。

③採用情報・成果のオープン化採用情報・成果のオープン化
採用に社員が参加する時に、情報を可視化することは重要だと思っていて、弊社ではHERP ATS上の選考情報を広く詳細に社員全員に公開することで実現できていると思います。プロセスだけではなくて、何がどのように進捗しているかを認識することで、採用をより自分事として意識できるようになると思います。あとは、内定が出たら、Slack上で共有し、その採用プロセスに関わってくれた全社員に対して称賛するなどの小さな喜びを重ねていくことも大事にしています。

④候補者と社員のオフラインでの接点づくり候補者と社員とのオフラインでの接点づくり
カジュアルなものからフォーマルなものまで様々あるのですが、週に1〜2回は何かしらのイベントを開催しています。イベントを開催するときに意識しているのは、参加しやすさです。少人数制にしたり、選考中の方限定のイベントにしたり、効果的なイベントが何なのかを試しながら、角度を変えて企画するようにしています。

⑤現場社員が採用活動をしやすい制度設計環境を整える
そもそも採用に協力したいと思える会社になるためにエンゲージメントのサーベイを取って、会社を紹介したくない理由があれば、組織の活動改善に反映させていくことは定期的に行っています。採用に協力してくれることに対してしっかりと感謝したいと思うので、リファラル採用でのインセンティブはもちろん、採用のために動いてくれた食事代や、紹介してくれたが実際に選考に進んで採用に至らなかった場合でも手当を出しています。あとは、スカウト名刺の作成やアメニティーの作成など採用活動に能動的になるような仕掛けづくりもしています。

スクラム採用に取り組む上で、HERP ATSを導入したメリット

田島:HERPを導入するまでは、社内での連絡や選考についての情報共有はSlackを使っていたのですが、情報がストック的な要素よりも、フロー的な要素の方が強いので、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかってしまっていました。導入後はその手間が解消され、情報共有コストが下がりました。
おかげさまでエントリーも200件くらい来るようになったので、HERP ATSが各求人媒体との連携を積極的に進めて、応募者情報が自動連携されるようになっていることで、私自身の業務効率化にも繋がっていますし、周りを巻き込みやすくなったと感じます。(株式会社空のHERP ATS導入に関する詳しい事例はこちら

まとめ

企業の採用力

企業の採用において、そもそもの企業の魅力に立ち戻り、自社の魅力を把握した上で、その魅力の打ち出し方を考えていくことが重要だと考えています。今、これだけ情報量の多い世の中なので、質の高い情報をどれだけ多く発信するかによって影響力が変わってくると思います。ただ単にシェアするだけではなく、社員一人ひとりが想いを書いた上でシェアしてくれる方が価値がありますよね。あとは、社員の採用に対する理解を深めることで、全社としての見極め力が上がっていきます。
この3つのどれが欠けても採用力は上がらないと思うので、どのように掛け算していけるかが本質的な採用力の向上につながると思います。

最後に、採用活動を最高の仕事として誇りとプライドを持って取組めてますか?とお伺いしたいです。一日に何件も面接が続く日々を過ごしていると、日々の業務で大変だとは思うのですが、やはり採用が企業成長に一番大きく影響すると思いますし、良いメンバーが入ってくることが会社に与えるインパクトを私自身も実感しています。経営陣は自分の会社なのでコミットして当たり前なんですけど、それを一従業員である人事が本気で、経営陣と対等に語れるかどうかが、企業の採用力を向上させる秘訣だと思います。
今自信を持って答えられないのであれば一回向き合ってみるべきだと思いますし、そう思えるのであれば、手法次第で必ず良い採用はできると思います。

参加企業の「採用の秘伝のたれ」を伝授!

参加企業の「採用の秘伝のたれ」を伝授!

ディスカッションの時間には、参加企業の採用活動におけるポイントや、スクラム採用に関するより具体的な質疑応答など、参加者の皆さまにも積極的に発言いただきながら、活発な議論がされました。ご参加いただきまして、ありがとうございました!

【イベント紹介】採用を加速させるATSの選び方の勉強会を実施します!

IT企業人事向け 採用を加速させるATSの選び方

5月20日(月)19時から、採用を加速させるATSの選び方の勉強会を実施します!こちらはスクラム採用とは別ですが、採用におけるATSの活用について採用コンサルティング企業で代表取締役を務める山根様にお話いただきます!以下のような方にオススメです。

・まだATSを導入しておらず、スプレッドシートやエクセルで候補者管理をしている
・現状ATSを導入したが、あまりうまく使いこなせていない

→ 参加申し込みはこちらから

HERP ATS導入企業様の事例紹介

ベンチャーから大手まで多くの企業様にHERP ATSを活用いただいています

ご利用はまずお問い合わせ